【講師のおススメ本】鳥飼玖美子『なんで英語、勉強すんの?』
こんにちは。個太郎塾佐久平教室の渡辺です。
本日は、NHKテレビ英会話やつぶやき英語などの講師としてご存じのかたも多い鳥飼玖美子さんの本、岩波ジュニアスタートブックス『なんで英語、勉強すんの?』をご紹介します。
どうして英語を勉強するのか
私たち講師が中高生だったころからほんの10年ほど前まで、「なんで英語なんて勉強するの?」「日本人だし、海外で働かなければ必要なくない?」という生徒はそこそこいました。
それに比べて、SNSなどを通して気軽に世界と繋がることができ、海外の商品やメディアも身近になったグローバルな今の時代にそんなことをいう生徒がいるの?と思う人もいるかもしれません。
しかし今や、英語ができなくとも翻訳アプリやLINEなどの翻訳メッセンジャーを通して、日本語は英語などの外国語に自動で翻訳できてしまうようになり、かえって英語を学習する意味を見いだせないーーーそんな生徒さんもいるのです。以前と違うのは、コミュニケーションツールとしての英語の必要性は見いだせているものの、自分が英語を話せなくとも機械がその仲介をしてくれているのに、あえて勉強しないといけないのはどうして?という点でしょうか。
英語を知っていると楽しいことが増える
本著のなかで鳥飼さんが繰り返し伝えているのは、英語は難しいけれど絶対に間違えてはいけないものではない、異文化コミュニケーションが目的だということ、英語を好きになれる方法を探してみることです。英語の4技能の伸ばしかたなどのアドバイスも書かれていますが、成績のためというより英語でコミュニケーションをとれるようにするため、という視点です。
自動翻訳機があるのにどうして英語を勉強するのか、についても、
人間のことばはとても複雑で、AIが太刀打ちできない部分もあるということです。---(省略)機械翻訳というのは、翻訳メモリーを大量に貯蔵したビッグデータから瞬時に引き出してくれますし、最近はdeep learningによって質も向上していますが、人間の心までは読んでくれません。その場の状況や話している二人の人間関係がどうなっているかの判断もできません。---(省略)その場の空気は読みませんし、読めません。---(中略)そうなると、大切な外交交渉で相手を怒らせて外交問題になったり、ビジネスでは交渉が決裂することもありえます。肝心な交渉、微妙な駆け引きなどには人間の通訳者が欠かせません。
鳥飼玖美子『どうして英語、勉強すんの?』岩波ジュニアスタートブックス,2021,PP.81-83
と、コミュニケーション上の不都合を解説しています。
もともとは英語が好きではなかった鳥飼さんが、どうして英語を勉強するようになったのか、どのようにして自分を変えていったのかについても書かれています。興味のあるかたや、『どうして英語、勉強すんの?』と疑問に思っている生徒さんはぜひ読んでみてください。
さて、この岩波ジュニアスタートブックスは、中学生が自分の可能性を広げていくためのシリーズで、「正解のない問い」の答えをいっしょに探っていこう、というスタンスで記されています。
そのため、難しい言葉や厳しいお説教のような内容はなく、今回ご紹介した『なんで英語、勉強すんの?』も含めて中学生の皆さんにぜひ読んでもらいたいものばかりです。もちろん、中学生のお子さまをお持ちの保護者のかたにもおススメです。
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