【シリーズ漢字教育】漢字の部首のふしぎ
漢字テストの採点をしているときなどに、「部首って知っている?」と聞いてみると、だいたいの生徒さんが「あの、木へんとか…草かんむりとか…」と答えてくれます。さて、みなさんは漢字の部首をどれくらい知っていますか?また、部首のある字とない字はどう違うのでしょうか?
単体の字と合体の字
まず漢字というものは、大まかに分けて2種類に分けられます。単独で字形をつくる「単体の字」と、複数の部分から形成される「合体の字」です。
単体の字には絵文字のような象形文字や、概念を図式化した指事文字がありますね。
それでは合体の字はというと会意文字・形成文字の2種類がありますが、それぞれ漢字の上下左右・内外などの部分(偏旁冠脚と言います)に漢字のグループを示す「部」が、さまざまなかたちで要素とされているのです。そして、その「部」に共通する意味の漢字が「部首」(首=代表という意味)と言われます。
少し分かりづらいので例を出すと、
氷 永 泉 求 池 海 ・・・これらはすべて「水」に関連する漢字、「水」を部首としています。そのため、「水」という漢字が変形して、漢字の構成要素となっているのがわかるでしょうか。そして置かれる場所によって形が違うことにも注目しましょう。
たとえば、漢字の中央に「水」という字がそのままある「氷」「永」を除けば、「泉」「求める」は部首が下につく【したみず】、「池」「海」などは部首が左について【さんずい】といわれるかたちになります。
このように、部首は置かれる位置によってかたちを変えます。また、置かれる位置については、偏、旁、冠、脚、繞、垂、構の7パターンが存在します。ただし、「さんずい」「したみず」などは厳密には部首ではなく、あくまで部首は「水」であることは覚えておいてください。
部首の共通の意味・・・?
さて、部首は「水」「草」「手」など意味上の大枠を示すことが多いのですが、なかには「亠」「ノ」のように、意味は表さず字形の構成要素となっているのみのものも存在します。同じ部首であっても、必ずしも共通の意味を持つものではないのはこのためですね。
余談ですが、
期・有・服・朕・腸・脈
これらの漢字にはそれぞれ共通する「月」という字が入っており、
「期」と「有」、「服」と「朕」、「腸」と「脈」・・・なんとなく意味のつながりもあるような気がします。しかし、「期」と「腸」にはつながりはなさそう・・・これはどうしてなのでしょう?
実は、それぞれの部首が「月」「舟」「肉」と異なっているからなのです。
「服」「朕」の部首はもともと「舟」、「腸」「脈」の部首は「肉」なのですが、かたちの似ている「月」に統一されてしまったのでした。今でも、部首のうえでは「月」「舟」と「肉」は別のものとして扱う場合もあります。興味のある方はそれぞれの字の甲骨文字を探してみるといいかもしれません。(M)
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