家庭学習、問題集は必要?小学生の保護者が知っておきたい「おうち勉強」の考え方
「塾では算数と国語を習っていますが、家では他の教科も勉強させた方がいいですか? やっぱり問題集を買った方がいいでしょうか?」
これは小学生の保護者の方から、よくいただくご相談のひとつです。
たとえば理科や社会のように、通塾していない教科をお家でどうカバーしたらいいか…確かに悩ましいですよね。
でも、必ずしも分厚い問題集が必要とは限りません。
まずおすすめしたいのは「音読」
中学受験を目指すご家庭であれば、参考書や問題集も必要になるタイミングがきます。
ただ、「家庭学習を習慣にしたい」「親子の会話を増やしたい」「まずは学校のテストで良い結果を出して、自信につなげたい」という目的なら、いちばん手軽で効果的なのが「音読」です。
音読って、国語だけ?
実は、音読はどの教科にも使える万能な学習法なんです。
スラスラ読む・正確に読む・耳で聞く・親子で会話する。
この一連の流れに、集中力・語彙力・記憶力・理解力と、学力に必要な要素がギュッと詰まっています。
社会や理科の教科書に出てくる図や表も、ぜひ一緒に声に出して読んでみてください。太字のキーワードは特にハッキリと。
「読んで終わり」ではなく、ちょっとした質問や会話を添えることで、記憶にぐっと残りやすくなりますよ。
音読は、テスト対策にも◎
その日習ったページを毎日音読していると、単元の進み具合が自然とわかるようになり、テストの気配にも気づきやすくなります。
テスト前には、教科書の範囲を読み返し、ノートの大事な部分を確認。もっと徹底したいときは、コピーをとって重要語句を隠して練習…なんて方法もあります。
中学受験を考えているなら、過去問の文章を音読するのも効果的。入試の問題文の特徴に慣れておけるので、本番で焦らずに済みます。
算数は問題演習が大切
一方、算数はどうしても「解いてなんぼ」の教科。学校のテストは教科書レベルの内容が中心なので、まずは教科書に載っている問題や、教科書に準拠した問題集を繰り返し解くことが重要です。
1ページの内容をスラスラ&満点でこなせるようになるまで反復しましょう。間違えた問題は印をつけておき、テスト前に重点的に確認すると効率的です。
「音読だけでは不安…」というときは?
もちろん、音読がすべてをカバーできるわけではありません。
テストが終わると気が抜けてしまったり、保護者の方の負担が大きくて続けられなかったり、同じ間違いを繰り返すお子さんにイライラしてしまったり……。
そんなときこそ、塾の力を借りてみてください。
苦手科目はプロに任せて、おうちでは「できたね!」「今日もがんばったね」とたくさん褒めてあげる。
役割を分担することで、お子さんのやる気と自信がぐんぐん伸びていきますよ。
家庭学習は「一緒にがんばる時間」
問題集か音読か――と考える前に、まずはお子さんと一緒に声を出して教科書を読むところからはじめてみませんか?
きっとその時間が、学力アップだけでなく親子の絆づくりにもつながります。