「将来の夢?…うーん、ないかな」そんなお子さんへ
「行きたい高校ある?」「将来の夢は?」
進路の話をするとき、こんなふうに声をかけた経験はありませんか?
でも多くの子が、「ない」「わからない」「まだ考えてない」と返してきます。私も指導現場で何度も聞いた言葉です。
でも、少し質問の角度を変えてみると、子どもたちの表情が変わることがあります。
たとえば――
「小さいころ、大きくなったら何になりたかった?」と聞くと、
「幼稚園のときは先生になりたかった!」「プロ野球選手!…でも今はそこまでじゃないかな」
「ガンダムに乗るって七夕の短冊に書いたよ(笑)」
なんて、夢だった話をイキイキと話してくれるんです。
そこでもう一歩。
「それ、なんでやめちゃったの?」と聞くと、
「友だちに笑われて、ちょっと恥ずかしくなって…」
「親に“それじゃ食べていけないよ”って言われたから…」など、
周囲の反応が原因で“夢をしまい込んだ”子が多いことに気づかされます。
そんなとき、私はこう話します。
「その夢、もし諦めなかったら、どうやって叶えると思う?」
たとえば――
●先生になるには?
●野球に関わる仕事って?
●ロボットに乗る夢、実は“工学の世界”がつながってるかも?
そんなふうに、「夢をどうやって調べるか」「叶えるには何が必要か」を一緒に調べていくと、
最初はモジモジしていた子も、どんどん前向きになっていきます。
「そっか、この夢を目指すなら○○大学に行きたいな」
「そのためには、○○高校に進む必要があるんだ」
「選手にならなくても、球団で働く道もあるのか!」
「ロボット工学って、ちょっとワクワクする!」
進路の選択肢が“今この瞬間”に広がっていく瞬間です。
もちろん、進路や夢は変わっていくものです。
でも、夢から逆算して「今、何をしたらいいか」を考えるクセがついていると、途中での進路変更もしやすく、迷いにくくなります。
「まだ夢がない」ではなく、
「昔の夢を思い出して、進路を調べてみる」。
そこからお子さんのモチベーションが一気に上がり、日々の勉強への姿勢も変わっていきます。
進路は、未来を狭める話ではなく、
「これから楽しいことがたくさん待っている!」とワクワクできるものであってほしい。
そんなきっかけを、ぜひご家庭でもつくってみてくださいね。(W)