不登校児童生徒の「出席扱い制度」ってご存じですか?③
こんにちは、
長野県佐久市の個別指導塾『個太郎塾佐久平教室』の眞島です。
以前このブログで紹介した、
不登校児童生徒が、ICT教材を活用して自分で学習することで、自宅にいながら出席を認められる「出席扱い制度」について紹介しました。
この反響があまりにも大きかったので、今回は私たちが住む長野県における「出席扱い制度」について、事例を紹介しながら解説します。
不登校児童生徒の「出席扱い制度」って何?
まずはそもそもの出席扱い制度」について詳しくご紹介します。
不登校児童生徒が学校外において、相談・指導を受けている場合や、自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合、文部科学省の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」によれば、指導要録上出席扱いとすることができるのです。
「出席扱い」の基本的な考え方
校長が出席扱いの判断をする際には、「不登校児童生徒の懸命の努力を学校として適切に判断する」ことを第一義と考え、児童生徒の最善の利益を最優先に支援を行います。
そのためには、個々の児童生徒の状況に応じて、出席扱いとすることができるよう柔軟に判断することが必要です。
このことは、児童生徒の自己肯定感を高め、学校への復帰や社会的自立を支援することにつながります。
長野県における「出席扱い制度」を活用した事例
以下は、県内の事例をもとに、学校や個人が特定されないよう加工した例示です。
事例1:市町村教育委員会が、民間施設についてのガイドラインを策定したことで、出席扱いの判断がしやすくなった例
・複数の民間施設を利用している子どもたちがいることから、市教育委員会が民間の代表者との協議を通じて、ガイドラインの策定を行った。
・ガイドラインには、学校と民間施設とが連携内容や子どもの様子を定期的に情報共有する場を設ける目安を記載することで、活動の報告や施設の訪問がスムーズに行われるようになった。また、情報共有の場が設定され、子どもの様子がより分かるようになった。
・校長は、子どもの様子が毎月詳しく分かるようになり、出席扱いの要件のひとつを満たしていると判断した。
事例2:民間業者のネットスクールを利用している不登校の子どもの出席扱いについて、業者が提供する学習報告書をもとに、保護者との連携を図った例
・ネットスクールでの学習の様子は毎月保護者には郵送されていたが、担任はその内容を見ることはできなかった。
・校長は、保護者と相談し、学校でも学習サポートをするため報告書の共有を提案した。
・保護者が、月1回、子どもと放課後登校し、学習報告書を共有することができたためネットスクールでの学習活動を出席扱いの要件のひとつを満たしていると判断した。
事例3:自宅で Web 教材に興味を持った不登校の子どもに、計画的なプログラムとなるよう担任に助言して出席扱いとした例
・担任は、保護者から YouTube の学習教材に興味を持って視聴している子どもの様子を聞いた。
・校長は、担任からその状況を聞き取り、家庭訪問をして学習内容を把握し、計画的なプログラムとなるよう時間割の作成を指示した。
・担任は、YouTube だけでなく、教育サイトの教材も取り入れて、子どもの学力に沿うように学習内容を提案した。
・保護者が時間割表に記録を付けて担任と共有していることから出席扱いの要件のひとつを満たしていると判断した。
事例4:教室の授業の様子を、自宅でオンライン参加した不登校の子どもを出席扱いとした例
・校長は、心身の不調により、時々欠席する子どもに、学習の遅れが生じないようにオンラインによる授業参加を提案した。
・教室の教科担任と黒板を中心に、動画を配信した。
・放課後、担任がオンラインによる対面指導で学習の振り返りを行った。
・校長は、この子どもの1年間の様子からオンラインによる授業参加を出席扱いと判断した。
・この子どもは、年間 37 日の登校できない日があったが、10 日のオンライン参加があり、これを出席扱いとしたことから年間の指導要録上の欠席 27 日として、オンラインで意欲的に学習した記録を要録に記入した。
参考資料
〇不登校児童生徒の指導要録上の出欠の取扱いについて(文部科学省)
(別記1)
「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を
受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて
(別記2)
「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の
出欠の取扱いについて」
文部科学省HP
URⅬ:https://www.mext.go.jp/content/1422155_001.pdf
〇不登校児童生徒への支援に関する指針について(長野県教育委員会)
~児童生徒が自らの進路を主体的にとらえ社会的に自立するための支援を目指して~
長野県HP
URⅬ:https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/kyoiku/shido/documents/futoko_shishin.pdf
〇「不登校への対応の手引き」について(長野県教育委員会)
~子どもたちの 社会的な自立を支援するために~
長野県HP
URⅬ:https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/kyoiku/shido/documents/r3tebiki.pdf
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回紹介した事例ように、長野県でも出席扱いに柔軟に対応してくれる学校が多くあることがわかります。しかし、これらの多くは県内に事例がなく、多くの衝突と相互理解を繰り返しながら制度を活用することになったのではないでしょうか。
お子様の不登校で悩まれている保護者の方は、まずは担任の先生に現状について相談することから始めてみてください。その際、アドバイスが必要であれば、我々のような専門家にご相談ください。
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