【小中学生のお子さんをお持ちの保護者にも】竹内和雄『10代と考える「スマホ」』【講師のおススメ本】
こんにちは。個太郎塾佐久平教室の渡辺です。
ここ数年、塾にくる保護者のかたのお悩みで多いのが、「スマホをいじってばかりで勉強しないんです」というもの。
今の保護者のかたの世代でいえば、10代のころに携帯電話を持ち始めたといっても早くて中学生、そうでなくても高校生くらいからであったと思います。そのため、今の小学生や中学生にスマホをどのように与えて・約束したらいいものか、手探りのかたも多いはず。
スマホは持たせなほうがいい?
だったらいっそスマホは持たせないほうがいい?とも思うのですが、興味深いのは本著『10代と考える「スマホ」』のなかで紹介されている2013年度(少し古いですね)の全国学力・学習状況調査でネットの利用時間と学力の相関をグラフにしたものです。
このグラフによると、ネット利用時間が1時間未満の層がもっとも学力が高く、「全くしない」層を抜いています。もちろん、4時間以上の層が最下位であるのは納得なのですが…いったいどうして?というのを著者の竹内先生は10代の生徒さんたちと話し合っています。
いまの子どもたちの学んでいる内容と将来求められている仕事
本著で、なかでも保護者のかたにもぜひとも読んでいただきたいのが、【情報社会を生きていく君たちへ】という章です。
近年の情報社会は機械やコンピュータ、AIの台頭によって仕事の内容が大きく変化しています。そこで、いま小学生・中学生・高校生のお子さんたちが仕事につくころにはどのような仕事が残り、どのような仕事が消えていくのか。そして、そのころ求められている人材というものはどのようなものなのか。
消える仕事に挙げられた仕事では、「長時間」「ミスなく」「同じ作業」ができる人材が求められます。--(省略)かつての教室では、生徒は先生が授業で一方的に話すのを聞き、先生の板書をひたすらノートに写すことが今より多くありました。そうして生徒たちは「長時間」「ミスなく」「同じ作業」をできるようになっていったのです。
『10代と考える「スマホ」』p.6より
しかし、機械やコンピュータ、AIの発達などによってそれらの仕事はわざわざ人間の手で行なう必要がなくなりました。
このように、私たちがこれまでしてきた仕事の多くは機械がしてくれるようになり、人がするのは、人にしかできない仕事です。そういう時代背景もあって、学校では、「主体的・対話的で深い学び」(新学習指導要領)が求められます。--(省略)もちろん、学校は仕事に必要な知識や技能を習得するためだけの場所ではありません。しかし、そういう時代を生き抜いていくことをみなさんはしっかりと意識しておく必要があります。
同 pp.8-9より引用
じつはこれ、学校の授業だけではなく、入試などでも実感しています。入試問題には、「こういった問題の解ける生徒さんに入学してほしい」という学校側・自治体側の考えが反映されます。
ここ数年、私立に限らず公立高校入試の出題傾向からも、「主体的・対話的」に学習した内容から考えて・問題を解決できるかどうかを問われているものが増えました。いまの子どもたちに求められている学びの種類が、われわれ大人が受けた学校の授業からはだいぶ離れてきていることを意識しておきたいですね。
本著は、中高生のお子さん向けに書かれているので、文章もやさしく、短時間で読みやすいです。ぜひお子さんと一緒に読んでみてください。
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