平安時代の満月は今より大きかった?
こんにちは。個太郎塾佐久平教室の渡辺です。
今日は中秋の名月、お月見ですね。満月といえば、竹取物語に出てくる描写で「望月の明るさを十合わせたるばかりにて、在る人の毛の穴さへ見ゆるほどなり」という表現が有名です。
月と地球は年々遠ざかっている!?
いくら満月とはいえ、月の明るさが十倍になったからって毛穴まで見えるほどなの?と、ちょっと不思議に思うかもしれません。
実は、月は地球から年あたり3㎝の速さで離れていっているそうです。つまり今からおおよそ1200年前の平安時代は今よりもっと月と地球は近かったと言われているのです。そこでざっくり計算してみると、その距離なんと36m!……まあ、ほぼ誤差のようなものですよね。
ではどうして「夜を照らす・すごく明るいもの」を説明するのに満月をつかったのでしょうか。
もちろん、かぐや姫が月の都の住人であったことが大きいでしょう。そのほかに考えられるのは、当時の夜が今よりずっと暗いものであったため、相対的に満月がとても明るく映っていたということです。
平安時代の夜は暗かった?
平安時代の照明器具に「高灯台」というものがあります。これは器に油と芯を入れて火を灯す照明器具で、せいぜい豆電球ほどの明るさだと言われています。どんなに近寄っても本も読めないくらいの明るさです。
それよりもずっと後の江戸時代は蝋燭を使っていたものの、夜も絶えず照明が灯されていて夜のこない街、不夜城の吉原ですらこのくらいの明るさでした。
思ったより暗く感じるのではないでしょうか。いまと違って電灯もなく、蝋燭や油などの燃料はとても貴重であった時代、人々は昼夜のリズムに合わせて生活をしていました。そのため、満月の明かりは今よりずっと、とても明るく感じた、といわれています。
一年のなかでもっとも月が綺麗に見えるといわれる中秋の名月、皆さんもぜひ電気を消して月明かりを楽しんでみてはいかがでしょうか。