【言葉の豆知識】「けりをつける」の「けり」ってなに?【国語・古文が面白くなる】
長いあいだ続いていた状態に決着をつけたときなど、よく「けりをつける」と言いますよね。これが兄弟げんかだと、本当に蹴りが入りそうで怖いのですが…この場合の「けり」ってなあに?というお話です。
この「けり」はよく古文で登場する「なりにけり」なんかの「けり」です。有名な兼好法師の『徒然草』にある「仁和寺にある法師」にも出てきますね。
仁和寺にある法師
仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、あるとき思ひたちて、ただ一人、徒歩より詣でけり。
極楽寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。
さて、かたへの人にあひて、「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず。」とぞ言ひける。
少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。
「けり」の品詞と活用
このように、「けり」は過去の助動詞の終止形で、「〜た」という意味をもちます。この短い文章のなかにも3箇所も登場していますね。(うち一箇所は終止形でなく連体形であることにも気づいたでしょうか…ここテストに出ますよ……)
古文の文には「けり」をつけて終わるものが多いので、「決着をつける」「終わりを迎える」という意味として使われるようになりました。
古文はなにも遠い昔にだけ使われていたものではないのです。(M)
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