【高校化学】 化学式の攻略法
中学3年から追加される科目の化学。文系の皆さんは基礎だけで終わるかもしれませんが、大学入試では基礎・発展問わず全員使うことになる科目です。
化学の1つ目の壁「化学式」
化学に触れたばかりの生徒さんや、化学が苦手な文系の生徒さんがぶつかりやすい1つ目の壁が、化学式です。化学式が分からないと化学反応式も書けず、その先の問題ほぼ全てでつまづいてしまいます。よくわからずに書いてる生徒さんも含めて、ここでしっかり理解してしまいましょう。
化学式に入る前に元素記号を覚えましょう!
まず、化学式に入る前に必要な知識がひとつあります。それは、元素記号を覚えることです。
「元素記号と化学式って何が違うの?」という質問を持つ生徒さんが稀にいるので説明しておくと、化学式は物質の元素記号を数で表したものです。H、He、Li、Be…などというものを一番最初に暗記させられた方も多いと思います。それです。ひとまずこれを20番目まで暗記して、周期表を書けるところまで頑張ってください。これが出来ないと始まりません。よくある暗記法ではありますが、「水兵リーベぼくの船 なな曲がるシップスクラークか」の歌が1番覚えやすいと思います。
「単体」について理解しましょう!
元素記号を覚えたところで、いよいよ化学式を書いていきましょう。化学式には約束事が1つあります。それは、気体の単体は原子2個、金属の単体は原子1個というものです。
「単体」というのは、ひとつの元素だけでできている物質のこと。酸素とかマグネシウムとかですね。今あげた2つだと、酸素は気体なので原子2個、マグネシウムは金属なので原子1個となります。なので、酸素はO₂、マグネシウムはMgと書きます。
※ただし例外として、炭素と硫黄は気体ですが原子1個です。理由を説明しようとすると長くなるので、そういうものだと思ってもらって構いません。
これで単体は書けるようになりました。
「化合物」を理解しましょう!
次が混乱する生徒が多い「化合物」です。名前の通り、2つ以上の原子が合体している物質のことです。よく出るものだと水や二酸化炭素、塩酸なんかも化合物ですね。ここで注意するポイントとしては、化合物は後ろから読むこと。例えば二酸化炭素ならCO₂と書きますが、これは炭素(C)と酸素(O₂)の化合物です。酸素が2つ、炭素が1つ組み合わさってできる物質なので、先程のポイントの通り後ろから読んで二酸化炭素というわけです。
このように基本的には名前の通りの原子が組み合わさっているわけですが、よく出る例外が3つあります。水、アンモニア、酢酸です。水はH₂O、アンモニアはNH₃、酢酸はCH₃COOHと書きます。
これは暗記してください。よく書かされます。
化学式を自分で書けるようにしましょう!
最後に、化学式を自分で書けるようにしましょう。さっきの二酸化炭素の例を出しますが、Cが1つ、Oが2つ組み合わさっていますよね。ではなぜ1:2なのか、わかりますか?
これが化学式の難しいところです。数を間違えるんです。正しく理解すればこの間違いをなくすことが出来ますので、頑張りましょう。
イオンの仕組みを理解しよう
これは、CとOのイオンの関係から決まっている比率になります。イオンとは、原子が電子を失ったり持ったりした状態のものを指します。原子は元々原子核、陽子、中性子、電子の4つで構成されていて、陽子が+、電子が−の性質を持っています。基本的には陽子と電子の数は同じで、この状態だとすごく安定した物質になります。ですが、現実の世界ではこの陽子=電子の状態が崩れることが多くあります。陽子は原子の内側に入っているのでどこかへ行ってしまうことはないんですが、電子は1番外側を回っているためどこかへ行ってしまうんです。こうして陽子=電子のバランスが崩れたものをイオンと言います。
イオンには、電子が少なくなってしまい陽子>電子になっている陽イオンと、電子が多すぎて陽子<電子になっている陰イオンがあります。どれほど差が生じているかによって1価、2価と変わっていきます。先程触れた化合物は、この陽イオンと陰イオンの数を合わせて安定させたものです。1つ前の段落で陽子と電子の数が同じなら安定、と書きましたが、陽イオンと陰イオンを組み合わせて安定させるのが化合の目的なんです。なので、化合物を表す化学式を書く時は、イオンのバランスが合うように書けばいいわけです。
イオンの見分け方
ですが、イオンのバランスを取るにはそのイオンが1価なのか2価なのか、また陽イオンなのか陰イオンなのかが分からないと、いけませんよね。ならどうやって見分けるのか。実は、この記事の最初に区別する方法がありました。
そう、周期表です。
元素記号を覚える際に表まで書けるように、と言ったのはこのためです。
周期表というものはよくできていて、左から陽イオン、右から陰イオンという配置になっています。(1番右の希ガスだけは例外です。イオンの際は考えないで下さい。)
つまり、左から陽イオンの1価、2価、3価…となり、右から陰イオンの1価、2価、3価…と並んでいるわけです。
この知識を持った上で、先程の例をもう一度出します。二酸化炭素はC1つとO2つの組み合わせですよね。これを周期表に置き換えると、Cは左から4番目、Oは右から2番目です。つまり、Cは4価の陽イオン、Oは2価の陰イオンです。では、この2種類でバランスを取るためにはどうしたらいいでしょうか?そう、Oをもう1つ持って来ればいいですよね。なので、C1つに対してO2つで化合してCO₂となるわけです。
まとめ
ここまで見てもらえばわかるかと思いますが、仕組みさえ分かればあとは掛け算と引き算です。皆さんが解けないような計算は一切使いません。大事なのは周期表を暗記することです。化学が取れない生徒さんは、周期表をしっかり書けるかどうか確かめてみて下さい。(S)
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